数年前、智鶴は陰陽師と友人と一緒にお不動さんへお参りに出かけました。
そのお不動さんには、一風変わった言い伝えがあるんです。
それは何かというと、そのお寺には大きな鐘が吊るしてあるんですが、
その中に人が入って鐘を「ゴ~ン」と鳴らすと浄霊されるというのです。
友人が、「おれもお祓いしてもらおう」と言ってその中に入りました。
陰陽師は友人に、「じゃあ、鐘を鳴らすぞ~。いくよ~。」と声をかけ、「ご~~ん」と鳴らしました。
鐘が鳴り終わり、友人がフラフラになりながら出てきました。
「おい・・、陰陽師・・、き、き、気分が悪い・・・。胃が、胃がむかむかする・・・。吐き気がする・・・。うぅ~・・、苦し・・・ぃ。」
と訴えました。
私と陰陽師はすぐに、
「あら~、浄霊のために鐘の中に入ったのに、逆に被ってしまったのね~。」
ということで、すぐに、その場でその友人をお祓いし被りはとれました。
友人は、
「これが被ったということなのか・・・。」
と驚いていました。
このときの被りは、死霊、生霊ではなく、人の想いが雲みたいな塊となって友人の肉体を覆っていたものでした。
このお寺には、言い伝えを知っている多くの人々が浄霊のためにやってきます。
そして、鐘を鳴らしてもらって日頃のストレスや想いを置いていくのです。
友人は、他人が置いていった物を拾ってしまったわけなのです。
友人は災難にあったとはいえ、智鶴や陰陽師との一体感を感じたようでした。
「自分も2人と同じように感じることができるんだ」
という、ある意味満足感?親近感?にも似たような感覚を持ったようでしたし、自信がついたようでした。
素直な、単純な友人ですが、心の澄んだ素晴らしい友人です。
この体験後、友人の人生は変わり、今では自己実現を果たしています。

