
智鶴は陰陽師とともに、お祓いの神事を執り行います。
ある日、智鶴と陰陽師は午前中にお祓いを済ませて、
その後、智鶴は相談業務に取り組み、
陰陽師は別室で午前中のお祓いの余韻に浸っていました。
智鶴が相談業務を終えて、事務室に戻ってきたとき、
陰陽師は、
「う~~っ、何故、助けに来てくれなかったの?
一生懸命に、ち・づ・る・さ~ん・・・、
ち・づ・る・さ~ん・・・って呼んだのに・・・。金縛りにあったんだ・・・。
大声で叫んだのに・・・。身体が硬直していたのにぃ~・・・。」
と言うではありませんか。
智鶴には呼ばれた声は聞こえず、しかし、しっかりと鼾は聞こえていました。
智鶴は、きっとお祓いの安堵から心地よい疲れに浸っているんだろうな・・・
とばかり思い、相談者の話に耳を傾けていましたので、
陰陽師が金縛り状態になっていようとは、思いもよらないことでした。
陰陽師によると、金縛り・・・つまり、両手をまるで握手でもするかのように、
しっかりと握られ、それはそれはリアルな出来事だったそうです。
そして興奮していた陰陽師を落ち着かせ、ゆっくりと話を聞くと、
陰陽師は手を引っ張られることはなく、柔らかい手をした約2人の人から片手ずつ、
しっかりと握られて、金縛りは終わったそうです。
その後、心地よい眠りについたということでした。
要するに、金縛りというよりも、握手をされたというものでした。
2人で検証した結果、午前中のお祓いで成仏した霊が感謝の思いを込めて、
握手を交わしに来てくれたのではないかという結論に達しました。
つまり、午前中のお祓いは成功したという証でした。
全ては神に感謝です。